絶対音感、というと神秘的な能力と思われがちですが、それよりはるかにスゴイのは誰もがもっている相対音感だと思います。ある音楽を聴いて、無意識にその音楽の中心音を見つける能力です。それを見つけられない人はおそらく何百万人に一人とかいうレベルでしょう。その人にとっては、どんな音楽も音の羅列としか捉えられないし、音楽が楽しいと思うこともないでしょう。
 そういう例外の人を除けば、だれでも曲の中心音をみつけ、中心音以外の音を中心音との関係に於いて、相対化して楽しむことができます。絶対音感を機械で実現するのはむずかしくありませんが、中心音をみつけるプログラムは相当複雑なものになるでしょう。まして、中心音以外の音を中心音との関係に於いて、相対化するなどという作業は機械には無理な話です。
 そんな相対音感を誰に教えられることもなく、苦労もしないで持ち合わせている人間は、絶対音感を持っている人よりスゴイなと思います、尤も、絶対音感を持っていて、相対音感を持っていないという人は極めて稀でしょうけど。
Jan. 27, 2014